田中 友紀

時を経て形成された鉱石や、遠い星からやってきた隕石。金工作家・田中 友紀さんの手から生まれる作品は、人の手で作られたものでありながら、自然が生み出したもののような、独特の魅力を放っています。澄んだ空気の中で、冬の装いに美しく映える、田中 友紀さんの作品をご堪能ください。

【田中 友紀さんに聞きました】
ご来場いただくみなさまに向けて自己紹介をお願いします
岐阜県土岐市で暮らし、アクセサリーの他トレイやカトラリー、オブジェなど幅広いジャンルを制作しています。多種類の金属を使用し、それぞれの特性や風合いを最大限に引き出すことへ魅了され、常に実験的なものづくりをしています。

 

ご自身の一押し作品(商品)を教えてください
「片割れ」と呼んでいるシリーズで、写真はピアスです。名前の通り、これらは対となる形が存在していました。板材をカットすると端材が多く出てしまうため何かに生かしたい思いと、偶然生まれる豊かな形に惹かれ、副産物という位置付けを作品としたことがきっかけです。

 

田中 友紀
岐阜県土岐市
http://yuki-tnk.jimdo.com

 


商品カタログ予習帳


Q1.インスピレーションを受けているものを教えてください

社会のありとあらゆる出来事、人と人との対話、見たこと・感じたことのないそれを知った瞬間、音の並びや重なり。

 

Q2.制作風景を見せてください

写真は、玄関で腰を下ろし、丸太の上で金属板を叩いているところです。金槌の打ち目による表情を存分に生かすことが多いため、絶えず道具を振り下ろし続けられる、安定感のあるところがやりやすいです。工程により制作する場所を変えているので、この玄関や制作部屋の机など行き来をします。

 

Q3.愛用されている仕事道具を紹介ください

道具は工程によりたくさんの種類があり、中でも一番多いのは金槌で、特に古く朽ちたものを好んで使用します。その理由は、一つはテクスチャがユニークだということ。他には、道具自体に刻まれた時間や跡が材料に写され、作品として生き長らえ続けることにも深い意味を抱くからです。写真では、鎚・槌、鋸や鋏、成形するために必要な道具などをご紹介しています。

Q4.ご自身の作品(商品)のおすすめの使い方を教えてください

耳飾りやブローチは、顔周りを華やかにしてくれるアイテムです。ひとつ添えるだけで随分とコーディネートが引き立つものだと思います。中でも、この時期で大活躍し万能なコはブローチでしょうか。羽織もの、ストール、帽子など、身を包む衣の留め具として、アクセントとして。ファッションが暗くなりがちな冬場に、アクセサリーとして取り入れるとグンと全身が煌めいてくれます。また、性別や年齢を問わず楽しめるのも魅力的です。私自身が制作する作品たちは、気取らず素朴なものが多いです。ひとつだったり、お持ちのものと組み合わせたりと、幅広く楽しんでいただけたら嬉しいです。